歯周病治療

PERIODONTAL

歯周病について

歯周病とはプラーク(歯垢)のなかに含まれる歯周病菌が原因で、歯ぐきや歯槽骨などの歯周組織を破壊してしまう病気です。
初期のうちは自覚症状がほとんどありません。しかし、違和感に気づいた頃にはすでに重症化していることも多く、抜歯が必要になるケースも考えられます。そのため現在日本人が歯を失う原因として最も多い疾患です。

こんなお悩みはありませんか?

  • 歯を磨くと出血が起こる
  • 朝起きると口の中の粘つきが気になる
  • 長い間歯科医院でメインテナンスを受けていない
  • 以前に比べると歯が伸びた気がする
  • 歯を押すとグラグラする気がする
  • 口臭が気になる・もしくは指摘されたことがある

歯周病の進行度

第一段階歯肉炎

歯ぐきが赤くなったり、腫れたりするのが特徴です。しかし、痛みがないのでほとんどの方が症状に気づきません。この段階でセルフケアや歯科医院でのメインテナンスを続ければ、歯周病の進行を食い止められます。

第二段階軽度歯周炎

歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」と呼ばれる深い溝が形成されるのが特徴です。その溝に細菌が繁殖すると、徐々に歯槽骨の吸収(破壊)が始まります。歯を磨くと出血することがあります。歯科医院で歯垢や歯石を丁寧に取り除き、適切なブラッシングを行うようにしましょう。

第三段階中等度歯周炎

軽度から中度の歯周炎においては、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットが深くなるのが特徴です。歯周ポケット内には歯垢や歯石が大量に付着していて、炎症が強くなります。歯槽骨が溶けたり、歯根膜が破壊されたりすることで歯がグラつくことがあります。

第四段階重度歯周炎

歯槽骨の吸収が進んでいることから、歯のグラつきが強くなり、食事も満足に取れなくなっている状態です。ほかにも口臭が強くなる、出血や膿が多いなどの症状が見られます。放っておくと確実に歯が抜け落ちるため、歯周外科治療などで早急に対応しなければいけません。

歯周病と全身疾患の関係

私たちの口腔には、様々な細菌が住んでいます。通常は免疫システムによってコントロールされていますが、一度バランスが崩れると、細菌が繁殖し、歯周病へと進行してしまいます。
歯周病は進行すると、問題はただのお口のトラブルだけに留まりません。歯周病菌は血流を通じて体内を移動し、さまざまな病気の原因となりうるのです。

歯周病と全身疾患と関係性について

Case01糖尿病
歯周病が進行すると、血糖値を正常に保つインスリンの機能が低下します。そのため糖尿病の症状が悪化する可能性が高まるのです。また、糖尿病が重症化すると、傷が治りにくくなるので、歯周病治療も十分な成果が得られません。
Case02心筋梗塞
歯周病に関連する細菌によって、血栓を形成するリスクが高まります。結果的に動脈硬化が生じやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの危険な疾病を引き起こす可能性も高まるのです。
Case03誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、食物や唾液が誤って肺に入ることで感染症を起こす疾患です。口の中のケアが不十分だと、歯周病菌などの細菌が肺に入りやすくなります。特に高齢者は免疫力が弱いので、注意が必要です。
Case04早産・低体重児出産
妊婦の方にとって、歯周病は非常にリスクの高い状況です。炎症が進行すると、歯周病に関連する炎症物質が、子宮の収縮を促します。結果的に早産や低体重児出産のリスクが高まります。

当院の歯周病治療

  • ブラッシング指導

    歯周病の元凶である歯垢や歯石を少ない状態に保つことが、健康なお口の基本です。そこで当院では、一人ひとりの患者様のライフスタイルや歯の状態に合わせて、効果的なブラッシング方法をアドバイスいたします。同時に免疫力を強化するための生活習慣に関する知識もレクチャーするのが当院の特徴です。

  • スケーリング・
    ルートプレーニング

    歯石は、一度形成されると日常の歯磨きだけでは取り除くことが困難です。歯石は表面がギザギザとしており、歯垢が大量に付着しやすくなります。結果的に歯周病の進行を早めてしまうのです。そこでスケーリングによって歯石を専門的に取り除く必要があります。また歯周病が進行している場合には、歯の根本までの歯石を除去し、歯の表面を滑らかに仕上げるルートプレーニングが効果的です。

  • PMTC

    お口の中は複雑な構造をしており、ご家庭での歯ブラシやフロスの利用だけでは、歯垢や着色汚れは残ったままです。そこで当院ではPMTCという歯科医院で行うクリーニングをご提供しています。専用の機器を使用して、歯の表面や歯ぐきとの境目をプロの技術で徹底的に清掃します。クリーニング後は細菌の少ない口腔環境になるので、非常にサッパリと爽快な気分になるのがメリットです。

当院で行う歯周外科処置

基本的に保険範囲内で行っておりますが、症状によって自費診療になる場合があります。

フラップ手術

歯の深い部分に潜む歯垢や歯石は、放置すると歯周病の進行を加速させ、歯の安定性を損ないます。特に歯周ポケットが深くなると、通常の歯周基本治療では歯垢や歯石を取り除くことが難しくなります。そこで必要になってくるのが「フラップ手術」です。歯肉を一時的に開いて、歯の根を直接見ながら歯石や感染物質を徹底的に取り除きます。外科手術となりますが、効果的に細菌の少ない口腔環境へと改善する効果が期待できます。

歯周再生療法

歯周病が進行し、歯槽骨などの歯周組織が失われると、以前ならば対応が難しいケースがほとんどでした。また歯周組織が脆弱なため、インプラントを行えないケースもありました。
しかし近年では、歯周病の進行によって損なわれた歯周組織を回復する治療が注目を集めています。それが「歯周再生療法」です。

リグロスを使用して行う歯周再生療法

治療前にフラップ手術を行い、歯根に付着した歯垢や歯石などを取り除きます。そのうえで、リグロスという特別な薬剤を塗布。時間をかけて歯槽骨の再生を促します。

歯周形成外科

歯周病が進行すると、知覚過敏が生じやすくなったり、歯肉の位置や形が気になったりするケースは多々見られます。歯周病自体は歯周基本治療や歯周再生療法で対応可能です。しかし、退縮した歯肉を改善するには、歯周形成外科を行う必要があります。歯周形成外科によって歯肉の形態を整えることは見た目だけではなく、歯の根っこの露出を減少させるので、虫歯や歯周病になりにくくなるなどのメリットもあります。

歯肉の移植

歯ぐきが下がった状態を改善するために、上顎の奥歯周辺などから歯肉を採取し、歯肉の退縮部分に移植します。目立たない部位から歯肉を取るのでご安心ください。歯周形成外科によって、健康な歯肉に改善できれば、虫歯や歯周病、知覚過敏などのリスクを抑えることが可能です。

歯周病治療のあとは
予防歯科へ

歯周病を治療しても安心してはいけません。治療後にきちんとケアをしないとすぐに歯周病が再発してしまうこともあります。
そのようなことにならないよう、治療が完了した後はぜひ予防歯科でメインテナンスを行い、症状の再発を防止しましょう。

予防歯科